2023/02/01

第1回 MarketPlanner開発秘話

私がパスコに入社したのは2005年の30歳。前職は大手コンビニのスーパーバイザーで、MarketPlannerシリーズでもっとも使われる業務である商圏分析をアナログで体験していました。1つの店舗を商圏分析するには、まずは大判地図を作るのに地図を張り合わせ、人口の情報等を入手し、手で書き込んでいくという工程で、数時間もかかりました。商圏分析システム「MarketPlanner」を使うと、数分で出来るということを知り、その価値を実感として、お客様に伝えていきたいという思いで、入社後、MarketPlannerシリーズの営業活動を志願して、民間ソリューションを扱うシステム事業部へ配属されました。

早速MarketPlannerを触ってみました。いざ触ってみると、これが難しい。GIS(地理情報システム)特有の構造や言葉を覚え、体得しないと、自分がしたいことが出来ない。ITが得意ではなかったとはいえ、使いこなせる様になるまで、毎日業務終了後にMarketPlannerを触り続け、サポートメンバーにご指導をいただき、それでも数ヶ月かかりました。その時に「これでは、誰もが商圏分析は出来ない、もっと使いやすいものをいつかは発売したい!」と思ったことを記憶しています。この時の思いが、今回の新しい「MarketPlanner」の形につながっています。

時は流れ、202010月に現職であるMarketPlannerシリーズの製品責任者に就任いたしました。その前の数年間、営業活動も含めてMarketPlannerシリーズから遠ざかっていたため、MarketPlannerシリーズに関するお客様、営業、製造、販売と様々な関係者の声を聞くために、インタビューやワーキングを重ねていきました。MarketPlannerシリーズは1999年に第一シリーズが発売以来、20年を超えるロングセラー製品で、様々な業態のお客様にご利用いただいていますが、お客様やご要望や社内の関係者の課題感には、2005年に私が感じた操作性の改善がいまだにあることがわかりました。また、MarketPlannerシリーズをはじめとした世の中にある商圏分析システムは、商圏内の様々なデータをアウトプット出来て便利ですが、分析=傾向や答えを読み解くのはユーザーに委ねられています。お客様が「本当は、答えが欲しい!」というご要望が潜在的にあることもわかってきました。こういった過去から現在までのご要望・ご意見や直近でのコロナ渦での働き方の変化を鑑み、熟慮した結果、誕生したのが、

「いつでも・どこでも・だれでも(商圏が判定できる)」

というコンセプトでした。このコンセプトは、製品開発の様々な場面において、決断・判断をする際の指針となり、製品開発を進める上で、重要な役割を果たしています。
コンセプトを実現する上で、製品開発においては、新たなものを多数取り入れました。画面デザイン開発や新たなデータプロバイダーとの協業、店舗開発の有識者の参画、データの提供方法の見直し等、過去の方法を踏襲するのではなく、コンセプトを実現するにはどうすれば良いかを常に考え、トライ&エラーを繰り返しながら、ようやく完成しました。

この新しいMarketPlannerには商圏分析に関わる様々な人々の「思い」が詰まっています。その「思い」はお客様が満足できる「価値」となっていると確信しています。その価値とは、MarketPlannerがお店をチェーン展開されている企業の皆様の店舗開発業務をDX化し、失敗しない出店を実現することです。是非、多くのお客様にMarketPlannerをご愛顧いただければ幸いです。

MarketPlannerはこれからどんどん進化します。ご期待ください!



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今回のコラムを担当したのは・・・

商圏分析システム「MarketPlannerシリーズ」製品オーナー
株式会社パスコ  小林 誠一郎

<経歴>
株式会社セブン-イレブン・ジャパン様にて、OFCを担当。
2005年、株式会社パスコに入社。主に商圏分析システムの営業職を歴任。
2020年10月より、現職。