等距離商圏とは?
店舗の商圏を作成する場合、店舗を中心とした指定距離で作成する指定距離商圏(図1)、指定した運転時間で行き着ける範囲で作成する運転時間商圏(図2)、統計情報の世帯数等の数値から商圏範囲を決定する目標値商圏(図3)などの方法があります。
等距離商圏は各店舗間の中心で境界線を引いてお互いの店舗の商圏が重ならない形で作成される商圏です。
それでは、実際に作成してみましょう。
まずは店舗商圏を作成するウィザードを起動し、「店舗を中心とした等距離での商圏」の作成を選択します。(図4)
使用する店舗レイヤーを指定し(図5)、商圏の最大分析範囲を設定します。(図6)
これで各店舗間の中心に境界線を持った等距離商圏ができました。(図7)
あるエリア内に複数の店舗があり、お互いの受け持ちエリアが重ならないように商圏の範囲を定めたい場合などに有効な商圏作成機能です。
等距離商圏で重なりのない商圏を作成
店舗からの指定距離商圏を作成したとき、店舗間の距離が近いとお互いの商圏が重なってしまうことがあります。(図8)
「重なってしまったところはお互いの店舗間の中心位置で分割して、重なりのない指定距離商圏が作れればよいのに」
と考えたことはありませんか?
このような場合、等距離商圏を利用して重なりのない指定距離商圏を作成することが有効です。
作成においては、指定距離商圏よりも少し広い分析範囲で等距離商圏を作成します。(図9)
まずは空間解析の「ディゾルブ」機能を使って指定距離商圏を1つの面にしたレイヤー(指定距離商圏ディゾルブ)を作成します。(図10、図11)
次に等距離商圏と指定距離商圏ディゾルブを重ね合わせ(図12)、
空間解析の「クリップ」機能で等距離商圏を指定距離商圏ディゾルブで切り抜きます。(図13)
これで店舗間の等距離の位置で分割された、重なりが無い指定距離商圏が作成されました。(図14)
クッキング完成です。
おわりに
商圏分析を行っていると、商圏の重なった部分の処理に頭を悩ますこともあるかと思います。今回ご案内した等距離商圏はそんな場合に有効な商圏作成機能です。機会がありましたら、是非ご活用してみてください。