郵便番号界地図とは?

GIS(地理情報システム)には、都道府県や市区町村単位のポリゴンで構成された「都道府県界地図」や「市区町村界地図」のようなポリゴン地図データが付属している場合があります。
これらのポリゴン地図は、「都道府県・市区町村・大字・町丁字」のように行政界に関連した要素でポリゴンの単位で構成されています。その他に、7桁の郵便番号で表わされる「町域」を1つの単位とするポリゴンで構成された地図データを、「郵便番号界地図」と呼びます。

郵便番号界地図を活用する

「郵便番号単位のポリゴンで構成された地図」を「郵便番号界地図」と呼ぶということを説明いたしましたが、「郵便番号単位のポリゴン」とはどのような領域を表わしているのでしょうか?

7桁の郵便番号によって表わされるエリアを「町域」と呼びます。この「町域」は市区町村内の「○○市□□町△丁目」から「△丁目」を除いた「○○市□□町」にあたる「町」の範囲を概ね示しております(市区町村以下が大字と字の場合は、大字を指す場合もあります)。これらの内部の属性情報には、キー項目である郵便番号の他に都道府県名や市区町村名等の情報を持っている場合もあります。

例-1.「郵便番号を軸に独自データを取り込む」

顧客情報などの独自データを持っていて、それをGIS上に取り込んで活用したい場合、住所情報や11桁コードのような住所コードを持っていなくても、7桁の郵便番号情報がレコード上にあれば、郵便番号界地図に結合して取り込む事ができます。取り込んだ独自データでの分析のほか、新たな統計情報として利用することが可能です。

Step-1:7桁の郵便番号で表わされた郵便番号界地図があります(図①)。

図① 郵便番号界地図

Step-2:7桁の郵便番号単位で構成された独自データのCSVファイルがあります(図②)。

図② 独自データCSVファイル

図② 独自データCSVファイル

図③ 郵便番号界地図に独自データを結合

Step-4:郵便番号界地図に結合した独自データ(販売台数)を、統計情報のように店舗の距離商圏等で集計を行うこができます(図④)。

図④ 店舗商圏で郵便番号界地図に結合した独自データ(販売台数)を集計 

例-2.「郵便番号を軸に独自の販売エリア地図を作成」

7桁の郵便番号を基に、独自の販売エリア地図の作成、統計情報の集計、エリア内の顧客数の集計も可能です。

Step-1:7桁の郵便番号で表わされた郵便番号界地図があります(図⑤)。

図⑤ 郵便番号界地図_2

Step-2:「属性検索」を起動し、以下の郵便番号のエリアを検索します(図⑥)。
「336-0932、336-0934、336-0921、336-0041」

図⑥ 属性検索 

Step-3:属性検索で検索されたエリアのみのコピー地図レイヤを作成し「販売エリアA」と名付けました(図⑦)。

図⑦ 郵便番号界地図より作成した販売エリアA

Step-4:この「販売エリアA」内の「人口総数」と「世帯数」の集計処理を行い、各郵便番号の町域ごとに結果の値をラベル表示で確認できます(図⑧)。

図⑧ 郵便番号界地図から作成した「販売エリアA」内の人口総数と世帯数

例-3.「商圏内の郵便番号を抽出」

店舗の道路距離商圏から、この商圏内に含まれる町域の郵便番号を知りたい場合、以下の方法で該当する郵便番号を抽出する事ができます。

図⑨ 店舗からの道路距離商圏内エリアの郵便番号を抽出

Step-1:店舗の道路距離商圏(図⑨)で郵便番号界地図に対して「空間検索」処理を行います(図⑩)。

図⑩ 空間検索

Step-2:「道路距離商圏」に「重なる」「郵便番号界地図」という条件で検索をかけ、郵便番号界地図の属性情報を開いてみると、空間検索で選択されたレコードが選択状態になっています。(図⑪)

図⑪ 空間検索で商圏と重なる郵便番号のレコードが選択(水色で表示)

Step-3:選択レコードのみCSVファイル等で出力して、表計算ソフトなどで確認すれば、商圏内の町域の郵便番号を知ることができます(図⑫)。

図⑫ 店舗の道路距離商圏内の郵便番号