ハフモデルとは?
ハフモデル(Huff Model)とは、「消費者が、ある店舗で買物をする確率を求める確率」のことです。この確率は、「消費者は大きな店舗へ足を向けやすい。但し、近い方が良い」という傾向を元に考えられています。
このハフモデルを使って、任意のお店に消費者が買い物に出かける割合(お店側が消費者を引っ張り込む割合=「吸引率」と呼びます)を、他のお店との競合状況を踏まえながら考えて、簡単に式にすると、下のようになります。
上記計算式の中で扱っている「売場面積」ですが、これはその店舗の魅力値をあらわすものです。売場面積の他に、駐車場台数や品揃えなどでも計算が可能です。また、距離という部分は、道路ネットワークデータ(運転時間または道路距離)があれば、より現実に即した計算ができます。
※このハフモデルは、米国カリフォルニア大(当時)の経済学者David Huff博士が作成し、日本では通産省(現経済産業省)が商業調査を行う上での審査指標に「修正ハフモデル」というものを採用しました。修正ハフモデルとは、日本の現状に合わせて式を修正したモデルを指します。
ハフモデルの活用事例
このハフモデルをGISで利用して、表示した例を簡単にご紹介いたします。
図①は、 国勢調査のメッシュデータを元に、ハフモデルの計算をした結果です。
★印の3店舗で、各メッシュに住んでいる見込み顧客の吸引率(買い物に出かける割合)を色の濃淡で表しています。
ハフモデルの計算結果により、各メッシュにはそれぞれ店舗A、B、Cに吸い寄せられる割合が結果として出されていますが、下図の場合はメッシュごとに最大となる吸引率を基準にして グラデーション表示してあります。(たとえば、あるメッシュの吸引率が、店舗Aが60%、店舗Bが30%、店舗Cが10%の場合、店舗Aの吸引率60%が最大となるので、60%に相当する色を濃淡で表示しています。)
この結果により、各メッシュに住んでいる消費者が特定店舗による独占状態であるかどうかというのが視覚的に判断することができます。色が薄いメッシュは、どの店舗にも強く吸い寄せられていないため、新しく店舗を構える場合には狙い目のエリアである、ということが分かります