投影変換とは?

GISの地図には、日本独自の座標系を使った日本測地系と世界標準の座標系を使った世界測地系があります。測地系の異なる地図は、同じ場所でも座標値が異なるためズレが生じます。例えば、日本測地系の背景地図の画面に世界測地系の地図データを追加すると、本来の位置から500mくらいズレたような表示になってしまいます。
今回はそんなときに役立つ、投影変換の機能についてご紹介します。

投影変換

図①は日本測地系の背景地図画面です。市区町村の境目がわかりやすいように市区町村界地図で境界線を強調しています。

図①

ここに世界測地系の座標で定義された目黒区のポリゴンを追加してみます。(図②)
背景の市区町村界地図と比較すると北西に500m近くズレが生じていますね。

図②

日本測地系の背景地図に合わせるため投影変換を行います。(図③)
入力データセットに世界測地系のレイヤーである「世界測地系_目黒区」を選び、出力データセットに「日本測地系_目黒区」を指定し、出力座標系は日本測地系の座標系「GCS_Tokyo」を選んで投影変換を実行します。

図③

「日本測地系_目黒区」は投影変換を行って新たに作成されたポリゴンですが、背景の市区町村の境界線とぴったり一致しています。 (図④)
投影変換によって世界測地系のデータを日本測地系のデータに変換を行うことができました。

図④

おわりに

他のGISソフトやインターネットから入手した地図データをGISに取り込んで表示させるような場合、測地系や座標系が合っていないと正しく表示されません。
そのようなときは、今回のように投影変換などの機能を使って、そのGISに合った測地系・座標系に変換してあげる必要があります。