ラスタデータとは?

実世界をデジタル地図で表現する場合、実世界を個別の図形で表現する「ベクタデータ」と、セルで表現する「ラスタデータ」の2つの表現方法があります。本稿ではラスタデータについて説明します。

ラスタデータの属性

デジタルカメラなどで撮影した写真や、描画ソフトなどで、デジタル化した物体の描写は一般的に画像データ(イメージ)と呼ばれます。画像データは格子状(グリッド)に並んだピクセル(画素)の集合体であらわされています(図①の升目一つ一つがピクセルと呼ばれるものです)。このような画像データと同様のデータ構造を「ラスタ」と呼びます。ラスタデータの各ピクセルは属性として一つの位置座標と数値を持ちます。

  • 「ラ」の文字を作っているピクセルは、ある基準点から近い何行何列目の位置にあり(位置情報)、255という数値で表現される、最も色が濃いピクセル(数値情報)。
  • 「タ」の文字を作っているピクセルは、基準点から離れた何行何列目の位置にあり(位置情報)、60という数値で表現される、色が薄いピクセルで(数値情報)。

上記のように、ラスタデータは座標で表現されるデータです。

ラスタデータのファイル形式について

ラスタデータの構造に基づいて物理的な記録形式(フォーマット)が定義されています。
一般的なフォーマットとしては、BMP、JPEG、TIFF等が挙げられます。
それぞれに特徴があり、必要に応じて最適のフォーマットで保存すると活用範囲が広がります。

ファイル形式の違いについて

GIS業界で使用されるものとしては、ERDAS IMAGINEのオリジナルフォーマットであるIMG(*.img)、ESRI社のオリジナルフォーマットであるESRI GRID、そして、GeoTIFFなどがあります。

解像度について

デジタルカメラだけでなく、最近では携帯電話でも、「2メガピクセル」などの綺麗な(高精度の)画像データが撮影できるようになりましたが、高精度の画像データ程、解像度は高くなります。航空写真を例にとってみますと、画像データの1ピクセルが地上のどの位の長さに相当するかを表したものが解像度であり、解像度は画像データの詳細さを表します。

1m解像度

同じ範囲の写真を撮った時に、1ピクセルのサイズが小さいほど、詳細になります。詳細になるほどデータ容量は増えます。

40cm解像度