全国人口統計マスターとは?

全国人口統計マスターとは、「毎年4月1日時点の町丁目別の人口総数(男子総数・女子総数、男女総数)と世帯数を収録したもの」です。財団法人国土地理協会が各市町村からデータ収集をして集計し、9月にデジタル化されます。これらのデータは、各市町村の住民基本台帳を集計したものです。
データの中身は図①のようになっており、町丁目別の人口と世帯数がわかるだけで、この他のデータはありませんが、この人口統計マスターを地図へ取り込むことで、最新の人口調査データを使いエリアマーケティングを行うことが出来ます。
エリアマーケティングにおいては、「国勢調査データ」を利用されることが多いと思いますが、国勢調査は5年毎しか行われず、しかもGISで利用できるまでにはしばらく時間がかかります。その点で「全国人口統計マスター」は毎年集計されますので、より精度の高い調査が出来ると言えます。

図① 全国人口統計マスターの例
説明の都合上、見やすい表形式にしております。実際はCSV形式、テキストファイルで提供されます。なお、地図はついておりません。

全国人口統計マスターの活用例

エリアマーケティングにおいて、人口の推移を把握することは非常に重要ですが、人口統計マスターデータと国勢調査データから人口推移を推定することが出来ます。

例.人口の推移を人口統計マスターを活用して表示する

Step-1: H17年の人口統計マスターをGISで表示できるようにお手持ちの地図データに取り込みます。

図② H17年の人口統計マスターをGISで表示

Step-2:次に、H12年度国勢調査データを、人口統計マスターと比較できるようにして表示します。
※【補足】 人口統計マスターは丁目・字界毎に集計されたデータですが、国勢調査データは地域によって集計区画が実際の丁目・字界とは異なります。これら集計区画が異なる統計データを利用するときには、面積按分処理などをシステム上で行うことで問題を回避できます。

図③ H12年国勢調査データ

Step-3.二つのデータを見比べて変化を読み取り難い場合は、図④のように、人口統計マスターと国勢調査データの差分を取り、その増減数を地図上で表示するとわかりやすくなります。

図④ 人口増減なども推定出来ます

全国人口統計マスターと11桁コード

全国人口統計マスターは一般に「11桁コード」と呼ばれる、住所コードで管理されています(図①参照)。多くの企業では、自社が所有する顧客の情報をデータベースで管理していますが、住所に関しては変更が頻繁にある為(市町村合併による市町村名の変更や、区画整理等に伴う町丁字の変更等)、住所を文字列としてではなくコードとして管理を行っていることが多いようです。 これらの町丁字コードには、国土地理協会が発行する「11桁コード」を多くの企業が利用しています。