図郭とは?

図郭とは、「ある一定の基準で区切られた一つ一つの地図の範囲」を指します。

道路地図や住宅地図を買うと、1ページ目に必ず右図①のような索引図があります。これは、図郭の切り方を表した図で、線で囲まれた一つ一つの部分が図郭ということになります。便宜上分けた範囲ですので、必ずしも四角形である必要はありません。このように広範囲の地図を必要に応じて小さな図郭に切り分けることによって、地図を効果的に表現することができます。
図郭の大きさは、

  • どのくらいの縮尺で表現する必要があるか
  • どのくらい大きさの紙・データで扱うか

などによって変わってきます。
図①の例でも、都心部では大縮尺で詳細に表現するために図郭は小さく、郊外では逆に小縮尺で広い範囲を表現するために図郭が大きくなっていることがわかります。

図①

国内の図郭の種類

図郭は、自由に設定することもできます。しかし、全国どこでも同じように使うためには、基準が必要です。
そのため、国や自治体が発行する地図の図郭は、法律等で定められた基準を元に作られています。
国内で使われている図郭には、2つの種類があります。

  • 2万5千分の1の地形図などで用いられている緯度経度を元にしたもの
  • 2500分の1国土基本図など小縮尺の地図でも歪みにくい平面直角座標を元にしたもの

の2種類です。

2万5千分の1地形図の図郭は緯度経度を基準に作成され、縦方向に緯度5分,横方向に7.5分の範囲になっています。この図郭は、標準地域メッシュ・システムの第2次地域区画と同一で、この図郭を縦横ともに10分の1に区切ると国勢調査事業者統計などの1kmメッシュ統計となります。

国土基本図の図郭は原点からのXY方向の長さ(m)を基準に作成され、縦方向に1.5km,横方向に2kmの範囲になっています。この図郭は、国土基本図とともに用いられることの多い航空写真などで用いられています。

図郭と地球の円さの関係

2 万5千分の1地形図の図郭は、緯度・経度で定義されています。そのため、地形図は南に行くほど広く、北に行くほど狭い範囲を記しています。図④は、2万5 千分の1地図を8×8枚繋げた大きさの20万分の1地勢図の図郭です。地球は丸いので全体を見ると扇形のように図郭が配置されていることがわかります。 実際に2万5千分の1地形図の大きさを調べてみると、那覇市付近では東西約12km×南北約9km、札幌市付近では東西約10km×南北約9kmとなります。今度、地形図を見る機会がありましたら、ぜひ北海道と沖縄の地図を見比べてみてください。