GPSとは?

GPSとはGlobal Positioning System(全地球的測位システム)と呼ばれる、「位置を知るための仕組み」です。

GPSは、地球を回る24個の衛星(図①)から発信される電波を利用して位置(緯度,経度,標高)を計算します。

図① 衛星軌道
6つの周回軌道にそれぞれ4機のGPS衛星があります。

衛星の正確な位置はわかっているため、4つの衛星からの電波を受信することができれば正確な位置を知ることができます(図②)。

GPSは、米国国防総省が1970年代から軍事目的で開発・整備を進めてきたものです。当初は、軍事的理由によって意図的に精度を落としたデータが提供されていましたが、2000年5月に解除され現在では安価なGPSでも一般的に利用する分には十分な精度で位置を測定することができるようになりました。

図② GPSの仕組み
GPSの時計は正確とは言えないため変数は緯度,経度,標高,時間の4変数となり、衛星も4つ必要となります。

GPSの活用例

GPSは、一般的にはカーナビゲーションシステムや船舶の航法装置としての位置を知るための道具として用いられてきました。最近では急速に小型化・高性能化が進むことにより、より身近な存在になってきています。
ビジネスの世界では、GPSの利用がますます進んでいます。GPSとGIS(地理情報システム)と組み合わせたLogiSTAR動態管理システムもその一つです(図③)。

GISやCRM(Customer Relationship Management・顧客関係管理)等のシステムをベースとし、移動体の位置を取得し、作業状況や指示等の情報を送受信することによって、業務を支援するソリューションを提供するためのサービスです。

図③ LogiSTAR動態管理システム

より正確な精度を高めたGPSへ

精度が高くなったとはいえ、実世界ではまだまだ誤差が生じます。
そこで、DGPS(Differential GPS)の使用も増えてきています。DGPSとは、国土地理院が全国に約1000地点に設置した電子基準点(図④)のことで、観測したデータを使用して精度を向上させる技術です(電子基準点で観測された情報は、一般に公開されています)このDGPSを用いることで、観測精度を従来の10倍程度向上させることができます。

また、最近では、仮想基準点方式と呼ばれる新しい測位技術を採用して、約1~3mの精度を実現している製品(HI-GPS)も登場しています。

図④ 電子基準点
電子基準点は、高さ5mのタワーに衛星からの電波を受信するアンテナと受信機が内蔵されています。得られたGPS観測データは、電話回線を通じて、つくば市の国土地理院に集められます。