緯度経度とは?

場所を数値的に表現する方法の一つが緯度・経度です。地理学的経緯度と呼ばれるこの方法は、南北を表す緯度と東西を表す経度の2つの要素から成り立ちます。

緯度
緯度とは、赤道を0°とし、南北へそれぞれ90°まで表します。北緯90°,南緯90°はそれぞれ北極,南極です。この角度は、その点に接する線と北極と南極を結ぶ地軸(青い線)との成す角を表します。

経度
経度とは、旧グリニッジ天文台跡(ロンドン)を通る南北の線(茶色の線)を0°とし、東西へそれぞれ180°まで表します。東経180°と西経180°は同じ場所を示します。 (南北に通る線を子午線といい、旧グリニッジ天文台跡を通る基準となる子午線を本初子午線といいます。) この角度は、その点を通る子午線と本初子午線との角度を表します。

緯度・経度とは

緯度・経度の現し方

緯度・経度は一般に度・分・秒で表します。分,秒は時間と同じように60進法になっています。ただし、秒に小数点以下の数値をつける場合は秒の後ろに10進法で表します。
 東経 135度26分7秒2539 (135度26分7.2539秒)
上記のように度を( °),分を( ′),秒を( ″)で示すこともあります。
 東経 135°26′7″2539
分・秒を使わずに度だけで緯度・経度を表す場合もあります。この場合には、「135度26分7秒2539」を「135.4353483度」のように10進法で表します。インターネットGISなどの場合には
「東経 135.4353483度」
というような形で使用されていることが多いようです。

日本の緯度・経度の基準

日本の緯度・経度の基準となる点があることをご存知でしょうか?経緯度原点と呼ばれるその点は、東京都港区麻布にあります。この地にはかつて東京天文台(当初は海軍観象台)があり、精密な天文観測が行われていました。明治時代から、この場所を絶対的な位置の基準として、日本の緯度・経度は求められてきたのです。

現在でも測量法により、日本経緯度原点は測量を行う際の原点の一つとして規定されています。(測量法第2条,第11条)

具体的な地点は、
東京都港区麻布台2丁目18番1地内
日本経緯度原点金属標の十字の交点
東経139度44分28秒8759
北緯35度39分29秒1572
(世界測地系)

日本経緯度原点

この日本経緯度原点の基準とした緯度・経度の求め方は、日本独自のものであるため日本測地系と呼ばれています。
平成13年12月に制定された新しい測量法では、世界測地系(測地成果2000)へ移行され、この経緯度原点の緯度・経度も変更されています。